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分国法から知る戦国大名の姿

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授業づくりJAPANが公開する授業案はご自由に追試してください。ただし、授業実践論文やレポートなどで公開される場合は、一言、「この授業は、授業づくりJAPANの○○氏の実践である」とお断りください。
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とかく残虐なイメージのある戦国時代。
弱肉強食・骨肉合いはむ下剋上。
農民は逃げ惑い、暴力が支配する恐ろしい時代。
戦国大名は四六時中、戦争のことばかり考え、情け容赦無用の成敗を下す…本当にそうなのでしょうか。

戦国大名の統治のイメージを一変させる授業です。
兵庫県立高校教諭の森一郎先生が実践した授業を中学生向けにして追試しました。
戦国大名版図1570

分国法から知る戦国大名の姿

《授業開始》

◆ 発問 1~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

「戦国大名の国の治め方」は、どんなイメージですか?

厳しい? 楽しい? 怖い?
農民に対しては?
家臣に対しては?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


→ ほとんどの生徒が
「怖い」「恐ろしい」「戦争が第一優先」「農民が虐げられている」「家来は絶対服従」「家臣でも信用しない」
など、ネガティブなものでした。

『「分国法」とは、家臣と領民を統制するために戦国大名が独自に作った法のことです。
「戦国家訓」というものあります。
これも分国法の一つで、ともに領国の統治に役立てました』

甲州法度

◆ 発問2~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

以下の各問いは「戦国家訓」に関するものです。
それぞれa、bのうち、正しい掟(おきて)はどっちでしょうか?
戦国時代の大名や武士をイメージして、正しいと思う方に○をつけましょう。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


問一 (服装は派手か、質素か)

a.身に付けるものは、出来るだけ立派で派手なものがよい。粗末なものでは、敵や臣下に低く見られるおそれがある。
b.身に付けるものは、見苦しくない程度に止めておき、派手であってはいけない。

問二 (登用は能力か、世襲か)

a.古くから仕えている家臣を大切にし、その役職も代々継がせるほうがよい。
b.役職は、才能や忠誠の度合いによって決めるべきで、古くから仕えているというだけで、登用してはならない。

問三 (領民統治の姿勢は)

a.農民からの不満や要求はいちいち聞き入れず、思うがままに領国を治めよ。
b.農民に対しては、その意見をよく聞き、こまかな心配りが大切だ。

問四 (学問を重視したか)

a.何よりも武術を磨くことが大切で、学問などはあまり役にたたない。
b.戦国時代の武士といえども、学問は大切である。

問五 (神仏に祈るか)

a.神や仏に頼るなどということは、武士として恥ずかしいことだ。
b.武士にとっても、神や仏を祈ることを大切にしなければならない。

問六 (武士道は大切にされたか)

a.戦国の世はとにかく勝つことがすべてである。まだ「信」「義」「礼」などの武士道はなかった。
b.戦国時代といえども、「信」「義」「礼」は大切だ。

《問題おわり》

『正解を見てみましょう。
次の資料は、実際の「戦国家訓」です。
さすが戦国大名だけに、家訓を守ることを家臣たちに厳しく要求しました。
背いたら、厳罰です。怖いですね~。
では、先の問題の答えを読み取ってみよう』

【資料1】~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

正解の根拠となる家訓の条項を示します。

問一(服装は派手か、質素か)

①早雲寺殿(そううんじどの)廿一箇条(にじゅういっかじょう)
第六条 刀や衣裳はことに立派なものをつけようとしてはならぬ。
見苦しくない程度で満足し、決して華美に流れるようなことがあってはならぬ。

②朝倉孝景(たかかげ)条々
第八条 朝倉家の一族をはじめ、年の初めの出仕に着る上衣は、木綿の綿入れとすべきである。
(略)皆、粗衣に甘んじることができるようにしなくてはならない。

問二(登用は能力か、世襲か)

①朝倉孝景条々
第一条 家老の職を一定にしてはならぬ。その者自身の才能や、忠誠心によってそれぞれの役目を申し付ける。
第二条 代々受け継いできたからといって、無用な者に奉行職などを預けてはいけない。

②武田信繁(のぶしげ)家訓
第九一条 党類の者だからといって、特別贔屓(ひいき)にして執りたてるようなことをしてはならない。

問三(領民統治の姿勢は)

①朝倉孝景条々
第十四条 一年に三度ぐらいは、有能で正直な者に申し付け、国内を巡視させて、領民の申告を聞き、そのことを参考にして、政治の改革をしていくがよい。
補則 家臣や領民に対しては、「不動明王」のごとく外面は厳しくとも、内面は慈悲の心をもち、良き事は褒め、悪しき者は罰し、理非善悪を公明にすること。

②武田信繁家訓
第三四条 百姓に対しては、彼らの義務以外の事について、あまり苦しめてはならぬ。
第八二条 下々の者に対してつねに注意し、寒さにつけ暑さにつけ、また風に際し雨に際して、忘れることなく、憐みの心を惜しんではならない。

③早雲寺殿廿一箇条
第十四条 上下万民すべての人々に対して、一言半句たりともうそをいうようなことがあってはならぬ。

問四(学問を重視したか)

①早雲寺殿廿一箇条
第十二条 わずかな時間でもひまがあれば、文字の書いてある本を読むべし。
第十七条 友を選ぶ場合、良友として求むべきは、手習いや学問の友である。
第二一条 文を左にして、武を右にするのは、古(いにしえ)から伝わっている武士の道である。

②武田信繁家訓
第十一条 学問の道についても、決してなおざりにしてはならぬ。
第二八条 『論語』には「行いに余力があったならば、怠ることなく学問に励むが良い」と述べられている。

問五(神仏に祈るか)
 
①朝倉孝景条々
第十六条 神社仏閣を崇敬し、社殿の破損をすみやかに修理せよ。

②朝倉宗滴(そうてき)話記
第十二条 つねに神仏の罰を恐れ、身分の上下によらず、主従ともにその身を慎むべし。

③武田信繁家訓
第七二条 神仏を信仰せねばならぬ。
『左伝(さでん)』の中にも「神は非礼なる者は加護し給わない」とある。

④毛利元就(もとなり)遺誡(いかい)十四箇条
第十二条 朝日を礼拝し、念仏を十篇づつ唱えること。
そうすれば、行く末は無論、現世のしあわせも祈願することになる。

⑤早雲寺殿廿一箇条
第一条 神仏を信じ奉るべきこと。
第五条 神仏を礼拝することは、身の行いというものである。

⑥北条氏綱(うじつな)遺状
第四条 倹約を守っていれば、天道の冥加(みようが)を受けることができる。

問六(武士道は大切にされたか)

①北条氏綱遺状
第一条 大将だけでなく、およそ侍たるものは、義をもっぱらに守るべきである。
義を守って滅亡するのと、義を捨てて栄華をほしいままにするのとでは、格別の相違がある。

②武田信繁家訓
第二条 武士として戦場にのぞんだならば、少しの卑怯未練の振る舞いがあってはならぬ。
第十三条 つねに礼節に対して油断があってはならぬ。
第二二条 忠節の念の堅固な家来を忘れてはいけない。
第六二条 古語にも「老人にたいしては、つねに父母を敬うのと同じにせよ」というのがある。

③早雲寺殿廿一箇条
第五条 ただひたすらに心を正しくおだやかに持ち、正直一途(いつと)に暮らし、上なる人を敬い、下なる者を憐れみ、つ
つみかくしなく、有るをば有るとし、無きをば無いとして、ありのままの心持で生活することが、天意にも仏意にも適(あ)うというものである。

【資料】おわり~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

『正解はすべて「b」でした!
戦国大名がどのような方針で国を治めていたか、理解できましたね。
戦国時代といっても、大名の領国統治は秩序を重んじ、家臣にも武士道を守るように命じ、民百姓をかわいがるものでした。
我が国はそういう国なのです



最初の予想は、ほとんど外れたという生徒が続出でした。
生徒の戦国大名に対するイメージは、一変してポジティブなものになりました。
参考として、家康の遺訓も紹介しました。
家康の偉さがよくわかります。

【参考資料】~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

徳川家康遺訓
人の一生は、重き荷を負って遠き道を行くが如(ごと)し、急ぐべからず
不自由を常と思えば、不足なし
心に望み起こらば、困窮したる時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基(もと)、怒りは敵と思え
勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害その身に至る
己(おのれ)を責めて、人を責むるな
及ばざるは、過ぎたるに勝れり
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

授業時間終了。
以下の課題を宿題とします。
親と楽しく話し合って決めた子もいました。
親子のコミュニケーションができてよかった。

【課題①】
今回、実際の家訓を読んで、あなたが持っていた戦国時代の大名や武士のイメージは、どうなりましたか? 
感想や思うところを書きなさい。

【課題②】
あなたの家の家訓をつくるとしたら、どのような家訓をつくりますか。
自分自身の生き方をよく考え、戦国大名の家訓を参考にして、三つ書きなさい。
家の人と相談して作っても良いです。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~~
(       )家 家訓
第一条
第二条
第三条
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
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プロフィール

服部 剛

Author:服部 剛
授業づくりJAPAN横浜《中学》の代表・服部剛です。中学校社会科教師です。
授業づくりJAPANは、授業実践を通して「国を思い、先人に感謝し、卑怯をにくむ日本人」「日本人の自由と真実を守るために戦うことのできる日本人」を育てます。
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