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国の守り方を考える④

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      やってみよう! 作ってみよう!
          授業づくりJAPAN

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国の守り方を考える④
有事シミュレーション「その時、自衛隊は!」


《続きです》
自衛官39d18de6

有事シミュレーション解説(2)

問13
武器が使用できるのは
→【正当防衛と緊急避難のみ】

自衛官の武器使用基準は
「明らかな身の危険を感じるまでは、
武器を使ってはならない」
(自衛隊法0条)
となっています。
警察官と同様、正当防衛と緊急避難のみに限られます。

ですから、敵兵を発見したからといってすぐさま発砲することはできないのです
  ↓具体的には、こうです。

[武器使用の手順(4段階)]
(2000年のイラクPKOで適用)
1.口頭で警告 「武器を捨てなさい」
2.銃を構える 「撃っちゃうよ」
3.威嚇射撃  「捨てないと、こうだぞ」(バンッ)
4.危害射撃  (バンッ)

さすがに、敵に銃口を向けられたら、発砲して良いことになっています。
しかし、これでは、いくつがあっても足りません。

問14
【軍医がいても手術はできない】


応急処置以外は、医療設備の基準を満たした正規の病院でなければ手術をしてはいけません(『医療法』)。
その場に医者がいて、器具があっても手術をしたら違法行為なのです。

問15
【安全なところにだけ行けます】


現行法では、自衛隊機は輸送の安全が確保されている場合に派遣できることになっています(自衛隊第84条の3)。
言い換えれば、自衛隊は安全な場所にしか行けません

また、避難している日本人に空港や港まで来てもらわなくてはなりません。
なぜなら、自衛隊ができのは「輸送」だけで、「救出」ではないからです
救出は軍事作戦を伴うので、想定されていないのです。
これでは国民を守れません。

しかも、武器が使えるのは、こちらが襲撃されて「正当防衛・緊急避難」の時だけでしたね。
したがって日本人を救出してくれた他国の兵士が襲われたりしても、ただ見ているだけになります。

※最近の動向として、
「在外邦人の陸上輸送可能に 自衛隊法改正案、閣議決定(朝日新聞2013年月19日付)」
とあります。

問16
【敵地先制攻撃は、自衛権の行使】


敵国がミサイルの発射を準備した時、そのミサイル基地を先制攻撃できます
「敵地先制攻撃」といい何と自衛権の範囲内でできるのです。
これは、政府の統一見解です。
本当ですよ。
  ↓ ほらね
我が国がミサイル攻撃された場合、
「座して死を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだとうふうにはどうしても考えられない」
1956年 鳩山一郎首相の答弁。

しかし、日本から先に攻撃をしないという専守防衛を国是にしている限り、本当に実行できるのか、とても不安です。

問17
ミサイルの迎撃は…
→【確実になるまで待て】


ミサイルが我が国の領土に達する前に撃ち落とさないと、落下物でも甚大な被害が出るでしょう。
しかし、現行法では、飛んでくるミサイルが「確実に日本の領土に落ちる」場合だけ、迎撃できることになています。

ミサイルが、日本上空を飛び越えて、グアムやハワイの米軍基地の方に行くかもしれない場合は、撃ち落とせません。
なぜなら、現在禁じられている「集団的自衛権」の行使になるからです

となると、ミサイルの目標が明確になった時には、もう遅いかもしれませんね。
そもそも外国には「ミサイル破措置命令」など存在しません。
危険なミサイルから国民を守るのは当然だからです



■なぜ、こんな事になるんだろう?

◆ポジティブリストとネガティブリスト

日本の防衛法制は「ポジリスト」方式です(警察法の体系はこれ)。
この方式では、行動は原則禁止で
「○○の場合は××できる」
と、平時では法律で定められた行動以外は禁止
されています。
しかも、いちいち厳しい手続きが必要です。

したがって、目の前で敵軍が破壊活動をしていても防衛出動命令が出なければ、一発の弾も撃つことはできないのです

一方、諸外国の軍隊は「ネガリスト」方式です。
行動は原則自由で、国際法で「○○をしてはならない」と、
禁止されていること以外は、何でもできます

世界で唯一、国際法で動けない軍隊である自衛隊は、どのようにして国家国民を守るというのでしょうか!?


◆命令待って、国滅ぶ?

どこまでが「平時」で、どこからが「有事(戦争状態)」なのでしょうか?
日本は「平時」と「有事」を次のように分けていましたね。(→問2の解説)

s-防衛出動

このような規定になっていることを国民の多くは知らないようです。
したがって、突然、敵軍が上陸してきたら自衛隊は、先のシミュレーションのような行動しかとれないのです。

防衛出動命令さえ出れば、各問いの多くのことは対処できるはずです。
(ただし、一部は知事の承認などが必要)

しかし、防衛出動発令には国会の承認が必要で、時間がかかります。
緊急の場合は、防衛出動の下命後、直ちに国会の承認を求めることも可能なのですが、果たして間に合うんでしょうか?

〔防衛出動命令が出るまでの流れ〕
1.首相が「対処方針案」を作成
2.安全保障会議に諮問する
3.安保会議内に事態対処専門委員会を開いて専門家の意見を聞く
4.安保会議の答申を受けて、対処方針を閣議で決定する
5.国会を開いて承認を得る(衆参)
6.自衛隊に防衛出動の命令を発する
7.自衛隊出動
8.武器の使用については別に「武器使用命令」が必要


外国には「防衛出動の発令」などというものはありません。
現地司令官の判断で対応します。

国家の主権と人命が脅かされる緊急事態だから当然です。
もたもたしていたら時すでに遅し、ということになります。

◆「交戦規定」がない

諸外国は、相手の敵対行為の程度に応じて、軍隊がどのように対応するか、段階的に定めています
この行動基準を交戦規定(ROE)といいます。
定められた規定に従って対応するので、軍の先走りを防ぐ役割も果たしているのです。

日本はポジリストゆえに、さぞ綿密な規定が定められているかと思いきや、さにあらず。
日本には交戦規定はありません
憲法で「交戦権」自体を否定しているからです

我が国の防衛体制は、「こと」がおきるたびに法律を整備してきました。
しかし、「100の事態に対応する100の法律があっても、101番目の事態には対応できない」という名言があります。
想定外のことが起きたらアウトです。

ポジリストで、防衛出動命令が出ない限り「自衛権」さえ行使できない日本
これでは、国を守れません。

四ヶ月の赤ちゃんを見つけた自衛官の笑顔
《続きます。あと一回》

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comment

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No title

ありますよ
ROE=交戦規則=部隊行動基準

第185回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第1号 平成二十五年十二月四日(水曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/ryoin/185/0088/18512040088001c.html
【石原】
>私は、平時における個別自衛権の確立とそれを支える交戦規定は、これは本当に必要だと思いますが、現場で危険を冒している、防衛活動する自衛官をいたずらにむざむざと犠牲にさらしてはならないと思いますね。
>現在、仮に尖閣で、要するに、遊よくして警備をしている海上自衛隊の艦船が、目の前で保安庁の船にシナの公船なるものが体当たりをしてきてこれを沈めてしまった場合に、中国の軍艦に対して海上自衛隊の艦船は反撃できるんですか。
>できないでしょう。これは保安庁を見殺しにせざるを得ない。
>平時がいつ突発有事に変化するかわからぬこの現況の中で、集団自衛権の発動以前に、日本個人の自衛権というものを行使するための、これを担保する交戦規定、ROEを、これは創設されるNSCなどにおいて早急に作成されるべきと思います。
>そうしませんと、これは自衛隊が浮かばれませんよ。これについて総理の自覚を伺いたいと思います。

【安倍】
>ただいま石原共同代表がおっしゃった交戦規定、ルール・オブ・エンゲージメントですが、どの国の軍隊もそれは持っているわけであります。それはあらかじめ権限が部隊あるいは所属の責任者に与えられているわけでありますが、
>法制上与えられているものと、実際さまざまな状況においてどう対応するかということを決めておくことによって、部隊あるいは現場の兵士の負担を減らしていくわけであります。
>自衛隊には、いわゆる交戦規定という呼び方はしていないわけでありますが、部隊行動基準というものはあります。英語に訳すとルール・オブ・エンゲージメントにしておりますから同じなんですが、日本では部隊行動基準をつくっております。
>そしてそこで、今石原代表がおっしゃった、今のままでいいのか、そういう問題意識は持っております。
>そこで、今、安保法制懇におきまして、いわゆる集団的自衛権の問題のみならず、武力攻撃に至らない事態においてどのような実力行使が可能かどうかということを今検討しているところでございます。

お答えします。

お名前がわかりませんが、コメントありがとうございます。我が国のROEについては、それなりのものはあります。ただ、安倍首相の答弁にるように「交戦規定=ROE」という呼び方はしていませんね。
憲法9条に交戦権がないように表記されていますから、「部隊行動基準」と表現しているわけです。これならあります。
しかしながら、国際基準で見て、これがROEとして機能するのかというと甚だ心許ないものなのではありませんか。
安倍首相も「今のままでいいのか、そういう問題意識は持っております」と言っているように、今ある「部隊行動基準」のままでは守れないんです。
上の方の人たちは、わかっているはずです。早く取りかかっていただきたいですね。

No title

佐藤正久国防部会長に聞く 平和安全法制 Vol.2
https://www.jimin.jp/activity/colum/127882.html

>(佐藤):私もそうですが、派遣隊員としてゴラン高原やカンボジアに行きました。ただ、
>ほとんどの隊員は、法律なんて読んでいません。読んでいるのは、自分たちの派遣計画です。
>計画と武器使用基準、部隊行動基準です。実際どういう手続きに従って武器を使うのか。
>これを危害射撃、非危害射撃と言います。非危害というのは相手に危害を与えないという射撃です。
>危害を与え、殺傷・怪我をさせるのは危害射撃と言います。非危害射撃も、上空を撃つものから、
>地面を撃つとか、構えただけでも非危害射撃になるかもしれません。危害射撃でも、致命傷を与えるのか、
>あるいは膝を撃つのかでは違い、様々なレベルがあります。それを当時の派遣の状況に応じて、こういう
>場合はどうするのだという部隊行動基準を作ります。これは「ポジティブリストじゃないからダメだ」と
>言われることがありますが、実際現場で使う時はそういうパターンに応じて出来るだけポジティブリスト
>やネガティブリストなどと関係なく、現場に即した形の部隊行動基準、武器使用基準に落とし込みます。
>これは秘密事項です。現場はそれに基づいて、しっかり対応します。

>私が政務官の時、海上自衛隊の護衛艦が中国の艦艇からレーダー照射されたことがありました。
>場合によっては、アメリカがそれを撃ち返すことがあるかもしれませんが、あの時はまさに、
>こういう場合はどうするのかということでしっかりとした対応行動をとっていました。その時は武器を
>使うまではいきませんでしたが、そういうことも含めしっかりとした対応行動をマニュアルに基づいて、
>艦長の命令の下、末端まで一つの行動で動いていました。それを見てびっくりしました。
>現場のエスカレーションを抑えて、同時に中国の対応を全てカメラに収め、証拠も全部持っているのです。
>私から見たら100点満点でした。なぜここまで出来るのかを聞いたら、想定をして訓練をしているとのことでした。
>それがやはり自衛隊ですよね。派遣の前にはそういう色々なパターンに基づいて、部隊行動基準を作ってそれに
>基づいて訓練をしていく。そこが非常に大事なことなのです。

ここから推測すると、「イラク派遣は当然としてそれ以前のPKO派遣においてもROEが用意されていた」ということになりますね?
また2013年のレーダー照射事件のときには100点の対応ができるくらいに洗練されたROEが適用されたころになりますね。

御教示、感謝いたします。

ありがとうございます。
とても勉強になりました。
部隊ではちゃんと対処方法を決めている内情がわかりました。
そうでなければむざむざ殺されてしまいますもの。安心しました。

佐藤氏が「これは秘密事項です」と言っているように、現状では公にはできないものなのでしょう。
そこはしっくりきませんね。
国軍としてのROEをしっかり整備することが課題だとわかりました。
ありがとうございました。

ご参考までに

【野口裕之の軍事情勢】
バルチック艦隊を殲滅した東郷平八郎元帥でさえ現行法制では中国海軍に負けてしまうことをご存じか?
2016.5.2 09:00更新

海上自衛隊の護衛艦「ちょうかい JS Chōkai, DDG-176」(奥)と並走する中国海軍のフリゲート艦=平成23年6月、沖縄県宮古島の東約140キロで共同通信社ヘリから


「勝ってかぶとの緒を締めよ、だ」

 安倍晋三首相(61)は4月25日、衆院北海道5区補欠選挙で自民党候補が野党統一候補を退けた結果に触れ「国民の声に謙虚に耳を傾ける」と、自戒を込めて冒頭の言葉を口にした。野党統一候補の猛追を受け、おごれる環境にもないが、勝者にのみ許される反省の姿勢だ。敗者は「かぶとを脱ぐ」だけ。ところが、安全保障上の抑止力を低下させ、日本が「かぶとを脱ぐ」よう運動する勢力が存在する。国外の反日組織ではない。野党や、野党と連動するサヨク団体など、国内の反日組織だ。

 わが国の安全保障基盤は自衛隊の旺盛なる士気・規律や優秀な兵器、日米同盟などでヨロわれ、一見盤石だと錯覚する。が、欠陥憲法と欠陥憲法を墨守するサヨク野党が国際法の活用や国内法の整備を妨害し、国家を守る法体制はガタガタ。せめて、米軍などとの協力関係を限定的に強化すべく施行されたのが安全保障関連法だったが、サヨクはこの法律も葬ろうとしている。

 冒頭の安倍首相の言葉は、明治三十七八年戦役(日露戦争/1904~05年)終結後、戦時編制の聯合艦隊を解散し平時編成にした式典で、大日本帝國海軍の元帥海軍大将・東郷平八郎(1848~1934年)が読み上げた《聯合艦隊解散の辞》の結語である。東郷は国際法を能く学習、習熟し、「新兵器」として戦力に加え、軍事強国を負かし、祖国を救った。

 その東郷を海上自衛隊の自衛艦隊司令官に押し立てても、日本防衛はおぼつかない。外敵の戦力が日本を上回るのではなく、憲法・法律が東郷を封じ込めてしまうのだ。


サヨクと法律に見放された自衛隊

 中国人民解放軍海軍のフリゲートが2013年、海自・護衛艦「ゆうだち JS Yuudachi, DD-103」に、火器管制レーダー(FCR)を2度にわたり照射した。将来的には自衛隊側の被弾も有り得る、「FCR事変」を例に話を進める。ボタン一つで艦砲弾などが護衛艦に襲来するギリギリの状況下にあって、海自は極めて冷静に対処したが、サヨク野党と法律に見放された自衛隊を取り巻く現状が、いかに自衛官を危険に陥れているかを象徴した。破廉恥にも、サヨク野党は安保関連法の反対運動過程で「自衛官の命」を心配し、政策パフォーマンス同様、三流以下の田舎芝居を永田町内外で巡業中だ。

 サヨクは「法治国家」を気取りながら、国際法を自国に有利に解釈せぬばかりか、無視する。2013年のFCR照射と、明治二十七八年戦役(日清戦争/1894~95年)劈頭(へきとう)の豊島沖海戦とを比べると、よく分かる。


「英国商船」を撃沈した東郷の卓見

 巡洋艦・浪速艦長だった東郷大佐は、海戦海域に遊弋する中立国・英国の旗を掲げた商船に空砲を2発撃ち→手旗信号で停船を求め→臨検のため、部下の大尉以下を端艇で派遣。大尉は、英船会社所有の高陞号が清国政府に雇われ、清国将兵1100名/大砲14門を含む武器・弾薬を輸送中との事実と、英国人船長に浪速随航を命じ、承諾した旨を報告した。

 この時代、船舶間通信は世界共通の国際信号旗をマストに掲げる旗旒信号が主流だった。東郷が《本艦ニ随航セヨ》と旗を揚げると《清国軍ハ帰港ヲ迫り、随航ハ不可能》の回答。再協議も求めてきた。東郷は再協議には応じたが、大尉に「欧州人船員が望めば、連れて帰れ」と、交戦国将兵と中立国船員を分けて扱う措置を命令。帰艦後、大尉は2回目の報告をした。

 「清国海軍士官は船長を脅迫、命令に服せぬようにし、かつ船内には不穏の状有り」

 清国軍による拿捕拒絶と判定した東郷が《船ヲ捨テヨ》と信号を送ったところ、高陞号は《端艇送レ》と応答す。東郷は拒否した上で《船ヲ捨テヨ》を再び打診。赤いB旗を掲揚した。攻撃の最後通告である。停戦命令後2時間半が経過していた。東郷は号令する。

 「撃沈します」

 高陞号は没した。東郷は、浪速に向かい泳いでいた船長以下船員数人を救助、一部清国将兵を捕虜にする。

 国際法上瑕疵無き、実に見事な手順であった。海戦勃発は「宣戦布告前ではないか」と、英国は朝野を挙げて激高したが、結局矛を収めざるを得なかった。英国の国際法権威2人が、東郷の「正当性」を公表したからだった。


中国フリゲートのロックオンに、東郷なら?

 さて、東郷ならば、中国艦にFCRでロックオンされた危急に当たり、どう行動しただろう。小欄はこう推測する。(1)中国艦に警告(2)FCR照射を継続するのなら、我(われ)も中国艦にFCRを照射しロックオン(3)再警告(4)中国艦がロックオンを解除しなければ、射程内でのミサイル用FCR照射なら反撃開始。艦砲用FCRならば、砲塔が我に向けられた時点で攻撃する。2013年は後者の事態だったが、砲塔は指向されなかった。

 当然、ロックオンに連動して発射される敵兵器はもとより、極度の緊張の中アクシデントによって誤射される連動していない敵兵器への迎撃と、直後に我が発射する反撃の、いずれの「兵器の準備」は整えておく。並行して、司令部を通じ、政治や軍中枢に了解を取れれば、一層賢明なやり方だ。


帝國海軍の東郷と自衛隊の東郷の実力差

 帝國海軍の東郷なら豊島沖海戦のごとく、国際法や軍法の豊富な知見に基づき、かくも粛々と遂行すればよい。しかし、海上自衛官たる東郷なら、こう迅速&スムーズにはいかぬ。

 帝國海軍と海上自衛隊、いずれの時代の東郷提督も「兵器の準備」は怠りなく進めるはず。(1)~(3)もできるが、(4)となると、海自による実施は怪しくなる。

 まず、日本国防衛に不可欠な武器使用を可能ならしむるべく、最高指揮官・首相が自衛隊に発する《防衛出動》の発令要件が問われる。その際「わが国に対する計画的、組織的な武力による攻撃」との、国会答弁が今なおネックになる。FCRを照射しロックオンされても、さらに実弾が発射されても、攻撃が継続されぬ限り「一過性」と見なされ、発令されないだろう。

 しかも、発令に際し時間的余裕なき場合、国会承認は事後でも良いが、日本の安全保障行政や危機管理体質の「幼児性」を考えるとき、事実上(法制上ではない)国会審議が課せられる恐れがある。「アクシデントによる誤射の可能性」を盾に、反撃に反対する腰の引けた政治家も必ず現れる。軍事にうとい割に、決定プロセスに自衛官が不在では、政治即断ができない。


「法律の不毛地帯」

 最大の弱点(といっても幾つもあるが)は、自衛隊法の防衛出動下命を条件とする《国家防衛》と、刑法が担保する自衛官個人の護身《正当防衛》の間に横たわる「法律の不毛地帯」。米軍など多くの国軍では、《国家》と《軍人個人》の守護任務の間に《部隊防護》任務が存在。国家間の紛争に至らずとも、国家より預かりし部隊・軍人・兵器を一体として守る法的権利・義務を有する。

 自衛隊法にも、自衛隊の兵器・施設を守る武器使用《武器等防護》を認める。ただし、武器等防護は部隊や自衛官ではなく、兵器・施設など物的戦闘力を守ることが主眼で、部隊も軍人も兵器も一体として守り抜く、米軍などの《部隊防護》とは似て非なる。自衛隊の兵器・施設を守る過程で、自らの生命に危険が迫れば、自衛官はいよいよ正当防衛として身を守る-との法的性格が色濃い。


神ワザを持つ自衛官はいるが…

 自衛隊の兵器は優秀で、扱う自衛官には、常人には聴こえぬスクリュー音や、海面に瞬く間しか姿を見せぬ潜水艦の潜望鏡を見逃さない、「神ワザの主」がいる。だが、法体系が自衛隊の精強性を削ぐ。中国海軍はFCR照射などを含め、自衛隊の一挙手一投足を縛る「法匪国家」の弱点=突破口を学習し、標的にしている。兵器の速度・精度が目覚ましい現代戦において、一瞬の迷いは致命的だ。


中国軍による実弾攻撃の現実味

 結果、中国海軍が故意に自衛隊の兵器にFCR照射を加え、手順を踏み、照射をし返した自衛隊側をいきなり実弾攻撃する現実味は、決して低くはない。自衛隊の兵器が自衛官もろとも吹き飛んでいれば、「自衛隊が先に照射して緊張を高めた」と偽証することも十分可能。国家間の全面紛争に比し起こる確率が断然高い「FCR照射→実弾攻撃」などの「事変」に対する備えは、安全保障関連法施行後も全く進歩せず、脆弱な横っ腹をさらけ出したままなのだ。


戦う前に負けている自衛隊

 いかなる国軍も軍法で全事態に対処するなど絶対にムリ。兵器も、それに伴う戦法も、国際秩序も変化し続ける上、戦(いくさ)に不測の事態は付きもので、法は追いつかぬ。従って、軍の権限は「原則無制限」で、あらかじめ禁止されている行為・行動以外は実施できる《ネガティブ・リスト》に基づく。軍は外敵への備えであり、自国民の自由・権利侵害を前提としない背景がネガ・リストを支える。とはいえ、国際法の範囲内での「原則無制限」。逆に言えば、軍法の「穴」は国際法でカバーする。国際法を最大限活用した知恵者が東郷だった。

 一方、自衛隊の行為・行動は、一つ一つ法律で明示する《ポジティブ・リスト》で縛られる。逮捕のように国民の自由・権利を制限する局面がある警察活動の法体系だ。ポジ・リストでは、国内法と国内法の間の「穴」が、時間をかけた立法化で一旦は埋まっても、前述した兵器・戦法・国際秩序の変化で、またぞろ「新たな穴」が開いてしまう。立法作業はイタチごっこで、永遠に続く。

 国内法に見捨てられ、国際法という「強力兵器」の援護も受けられぬ状況では、世界三大提督に数えられるトーゴーが、たとえ自衛隊の優秀な人員・装備を指揮しても、戦の前に勝敗は決している。

領空侵犯対処

最近の産経はやや感情的になりすぎてると思いますね

「憲法9条の下では領空侵犯機を撃てない」は誤報 過去に警告射撃も 「撃墜」排除せず
ttp://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20160510-00057524/
>【GoHooレポート5月10日】産経新聞は5月3日付朝刊1面トップで「改憲是か非か 参院選焦点 きょう憲法記念日」との見出しの記事を掲載した。
>その中で、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していると述べたうえで「9条の下では、空自機から領空侵犯機を撃つことはできない。
>相手が警告を無視して領空を自由に飛び回っても、攻撃されない限り退去を呼びかけるだけだ」と指摘し、「9条が羽交い締めにしているのが、
>日本の守りの実態といえる」などと記した。
>しかし、現在の憲法のもとでも、政府は、正当防衛または緊急避難の要件を満たす場合、武器使用による撃墜もあり得るとの見解を示している。
>侵害が間近に迫っている場合には、相手の攻撃を待つことなく射撃できるとの見解も示している。
>防衛白書にも、領空侵犯時の武器使用について明記されている(平成27年版防衛白書)。

警察の武器使用

警察でさえ2001年以降はこんな感じですから
自衛隊の平時の駐屯地警備(武器使用の根拠は自衛隊法95条)や
海外派遣、治安出動下令前の情報収集でもそれなりに戦えるでしょう。

ttp://www.asyura2.com/0311/nihon10/msg/224.html
■予告なしで拳銃を撃てる例■

【事件現場】
・多数の暴走族が鉄パイプで襲いかかってきた
・傷害事件の容疑者が刃物を突き刺してきた
・容疑者が被害者を刃物で刺そうとしている
・発砲現場で、容疑者が被害者に撃とうとしている
【職務質問】
・不審者が隠し持っていた刃物で突き刺してきた
・不審者が拳銃を取り出して撃とうとした
・盗難手配車両が停止せず、周囲の人や物に衝突しながら逃走しようとした
【強制捜査】
・捜索中、容疑者が鉄パイプで頭に殴りかかろうとした
・捜索中、容疑者が隠していた拳銃で撃とうとした
【交通取り締まり】
・検問を突破しようと、車を急発進し向かってきた
【警戒警備】
・警護対象者の近くから飛び出した人物が、対象者に拳銃を撃とうとした
【違法行為の誘発】
・人質事件で「撃つぞ」と予告すると、容疑者がかえって興奮し、人質の生命、身体の危険が増す

警職法を超える武器使用

自衛隊の役割と権限
http://clearinghouse.main.jp/web/cas0002.pdf
4ページの治安出動の項目を読んでください。
89条の範囲では警察と同じことしかできませんが、90条の範囲なら
「武器使用の要件及び限度を満たしていれば、人に危害を加えることとなっても、法律に基づく正当行為と評価され、違法性が阻却」となっております。
武器使用(ポジリスト)でも限りなく武力行使に近い行為が可能なんでしょう。
これも2001に自衛隊法が改正されたからですが、治安出動を暴徒対処から武装工作員対処の権限に切り替えたからなんです。
しかし、警察と陸自の治安出動を想定した合同訓練が頻繁に行われていることから考えて89条の範囲でも普通に戦えるのではないでしょうか?
90条は自衛隊固有の権限なので警察には適用されません。

No title

大須様
御教示、ありがとうございます。勉強になります。
空自に関しては、攻撃を認められていますね。これはずっと以前からそうでした。
この点は、以前、田母神閣下から直接聞きました。
でも、発射には司令からの「ゴーサイン」が必要とか。
裏話も聞いています。

武器使用については、ご案内にあるとおり、様々な規定がありますね。これ、まさにポジリストですね。
現状でも自衛隊員はある程度までは戦えると、私も思います。
しかしながら、これで他国の軍隊と同様に戦えるのかというと、どうも疑念が残り、心配でならないのです。
兵隊さんはちょっとの差で死んじゃうんですから。
私はそう言う思いです。

No title

新「日米防衛協力のための指針」
http://www.mod.go.jp/j/publication/kohoshiryo/pamphlet/pdf/shishin.pdf

昨年、ガイドラインが改訂されました。
これは簡単に説明すると「日米の軍事的な役割分担をどうするか?」についての取り決めと思ってください。
そして、昨年騒いでた安保法案というのは、この新ガイドラインで日本が担う新任務等に法的根拠を与えるために必要だったわけです。
既に成立し、施行されていることから考えて、新ガイドラインで決まったことは実行可能なのです。

つまり、管理人様が懸念されているようなことは、法的には解決済みです。

上のPDFを熟読されることをおすすめ致します。

No title

>武器使用については、ご案内にあるとおり、様々な規定がありますね。これ、まさにポジリストですね。

PKOや邦人救出では「任務遂行型」の武器使用が可能ですが、武力行使と実際同じです。(つまりネガティブリスト的行動が可能)
それ故に過去なんども邪魔されてきたわけです。

まあ「正当防衛」「緊急避難」が危害許容要件になっていますが、大した
制約にはなりません。
どにみち、MOOTWにおいては抑制的な行動を求められるので(警察的任務が多い)
↓  ↓  ↓  ↓  ↓
ヒゲの隊長
https://twitter.com/SatoMasahisa/status/792269498812207104
>【PKOの駆け付け警護任務】 一部マスコミは、安全確保任務と駆けつけ警護任務を混同して伝えている向きもあり、
>駆けつけ警護時の武器使用は、他部隊と同様に任務遂行型も認められており、他国軍と違い手足を縛られているとの批判も間違っている。

自衛隊法90条における権限は危害許容要件としての「正当防衛」「緊急避難」さえ無くなっており、相手が国家じゃないのでコレを割り当ててる程度に考えていいでしょう。

No title

「危害許容要件としての正当防衛、緊急避難」というのが何故か一般的に知られていないようなので、是非ここを読んで生徒さん達に教えてあげてください。

絹笠泰男の防衛・軍事法学論集
http://gunjihougaku.la.coocan.jp
法令による行為(刑法35条)と正当防衛(刑法36条)及び緊急避難(刑法37条)との異同 
http://gunjihougaku.la.coocan.jp/newpage17.html
>これは、イコール刑法で言う正当防衛や緊急避難ではないのです。
>この隊法95条の武器使用権限を行使して人を殺傷する場合には、刑法36条又は同37条の法文に定めた制約条件、例えば37条を例にしますと
>「1自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため止むを得ずした武器使用であること 
>2武器使用によって守ろうとした利益と武器使用によって侵害する被害者の不利益とを比べた場合にバランスが保たれていること。」等を隊員自らが
>職権判断をして武器を使用しなさい。ということなのです。

>言い換えますと規定がより複雑化しないように、刑法の正当防衛要件や緊急避難要件を本条の武器使用条件に転用するという立法技術なのです。

No title

大須事さま
御教示、ありがとうございます。
安保法制成立のおかげでずいぶんできるようになったことが増えました。
勉強していきたいと思います。

No title

大須事件さま
ご案内の通り、「駆けつけ警護時の武器使用は、他部隊と同様に任務遂行型も認められた」という点はたいへん良かったと思います。
これで普通の軍に近づきましたね。
ありがとうございました。

No title

大須事件さま
「危害許容要件としての正当防衛、緊急避難」のご紹介、ありがとうございます。たいへん勉強になります。
こういう細かいところが一般人にはわかりにくいのでしょうが、大事な認識ですね。
残念ながら現状では、ネガリストに向けて少しずつ前進していくしかないのでしょう。
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服部 剛

Author:服部 剛
授業づくりJAPAN横浜《中学》の代表・服部剛です。中学校社会科教師です。
授業づくりJAPANは、授業実践を通して「国を思い、先人に感謝し、卑怯をにくむ日本人」「日本人の自由と真実を守るために戦うことのできる日本人」を育てます。
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