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道徳「日本を愛したジャズドラマー」

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4-(3)「公平・公正~差別や偏見のない社会」

しばらく記事の更新ができませんでした。年度当初は忙しいです。
今日は道徳で、「人種平等」をテーマにしたものです。
ミニ道徳です。

《日本を愛したジャズドラマー アート・ブレーキー 》
                           (アメリカ・1919~1990)

【発問1】 この人は誰ですか。

Art_Blakey.png

〔答え〕 アート・ブレーキーさん

【発問2】 何をする人ですか。 
〔答え〕  ジャズドラマー

【発問3】 あなたが他人に接するとき…、
①心がけていることは何ですか。
②それはなぜですか。何のためですか。
率直にどうぞ。

『資料を読みましょう』

【資料】「ナイアガラ・ロール」

アート・ブレーキーさんは、“モダン・ジャズのハート・ビート(鼓動)”と呼ばれたジャズ・ドラムの大御所中の大御所のドラマーです。
「ナイアガラ・ロール」との異名を取ったドラムの連打を武器に、ジャズ界を席巻しました。

彼は多くのドラマーに影響を与えると同時に、彼がリーダーとなった「ジャズ・メッセンジャーズ」は、1955年の結成からブレイキーが世を去る90年まで、常にジャズのトップグループとして君臨ました。
そんな彼は、昭和36年(1961)の初来日以降、亡くなる直前まで数え切れないほど日本に来ており、夏の「フェスティバルの顔」でした。
彼のアルバムや楽曲には、「雨月」「京都」「銀座」といった日本語をタイトルにしたものがいくつかあります。
この背景には、昭和36年の初来日の時に「ある出来事」があったからです。

この年の元旦、夜の10時。
アート・ブレーキー率いるジャズ・メッセンジャーズのメンバーを乗せた飛行機が羽田空港に降り立ちました。
機内から外へ出たブレーキーさんが見たものは、花束を持ち、こちらに向かって熱狂的に手を振っている無数の若者たちの姿でした。
ブレーキーさんたちは、
「有名人でも乗っているのか?」と
思っていました。

しかし、この若者たちは自分らの来日を歓迎するファンだと知った時、彼の目から大粒の涙があふれだしました。
なぜでしょうか?


当時、ブレーキーさんはアメリカでもジャズ界のスーパースターでした。
しかし、彼は黒人です。
人種差別が根強く残っていたアメリカでは、当然のように差別されていたのです。
だから、日本の若者たちの熱烈な歓迎が信じられなかったのです。
タラップを降りると、ファンからの花束に埋もれ、スピーチを求められましたが、彼らは涙が止らなくてとてもそれどころではありませんでした。

さらに、ブレーキーさんを驚かせることがありした。
一人の若者が彼に近づいてこう言ったのです。
「ミスターブレーキー、お願いがあります。僕と一緒に記念写真を撮ってください」
彼は思わずこう言いました。
「オレは黒人だぞ。一緒に写真に収まってもいいのか?」
この時、ブレーキーさんは知ったのでした。
「この国の人たちは黒人を差別しない」と。


同じ人間を「肌が黒い」というだけで蔑(さげす)むような考えを持つ者など、この国には一人もいない。
この国の人たちは、本当に自分たちの演奏を聴きたがっている。
この国の人たちは、自分たちの演奏が大好きで、心から自分たちをリスペクト(尊敬)してくれる。
国籍も人種もまったく違う日本人がただただ自分たちの音楽を賞賛してくれている…。


出迎えた日本人にとって、アート・ブレーキーはジャズのスーパースターです。
純粋に彼を尊敬し、日本に来てくれたことに感謝し、歓迎しただけのことでした。
日本人にしてみたら、ごく当たり前ことです。
この当たり前のことが、黒人のブレーキーさんにとって涙が出るほど嬉しいことだったです。

そして、帰国する時に彼はこう述べました。

「私は今まで世界を旅してきたが、日本ほど私の心に強い印象を残してくれた国はない。
それは演奏を聴く態度はもちろん、何よりも嬉しいのは、アフリカを除いて、世界中で日本だけが我々を人として歓迎してくれたことだ。
ヒューマンビーイングとして!」


八百万(やおよろず)の神様のいる国、縄文の昔から大陸や海からやって来た人・物・文化を取り入れて共生してきた国だからこそ、我が国では肌の色や人種で差別するなどという意識は恥ずべきことでした。
ごく普通の当り前の事を当たり前のようにするのが日本なのです。

こうして、大の親日家になったブレイキーは、その後、日本女性を妻に迎えました。
息子に日本名をつけ、毎年のように来日して、本物のジャズを日本のファンに披露し続けたのです。

《資料おわり》

【発問4】 
資料を読んで、感じたことや感心したことはなんですか。
また、今の自分の考えに照らしてどうですか。


『どんな人に対しても公平に接するということは、素晴らしいことです。
日本は、そういうことが当たり前の社会であったし、それがカッコいい生き方でもあります。
クラスや学年、先輩の中には、弱い立場の人に対して、乱暴な態度や口の利き方をしている人がいるでしょう。
それはカッコわるい生き方だし、自分の価値を下げています。

振り返って、自分は人によって態度を変えていないでしょうか…。
大切なことです。よくよく考えてください』


などという話をします。

アート・ブレーキー

《授業おわり》

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道徳 日本人拉致事件

道徳 拉致事件から家族愛を考える
徳目は4-(6)「家族愛、充実した家庭生活」

授業で使用するDVDは、政府製作の『アニメ「めぐみ」』です。全国の学校に無償で配布されている(はず)です。
今日は、生徒の反応もお読みください。

《授業開始》
◆ 発問 1~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

最近、家族と過ごしていて、家族との関わりで印象に残っていることは何ですか?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


・DVDを一緒に見た。
・叱られたこと。
・英検3級合格してほめられたこと。
・いろいろなところに出かけたこと。
・元旦から二日、おばあちゃんと一緒にいたこと。
・手伝いをして、冬に水を使うのがたいへんだと思ったこと。
・誕生日プレゼントをあげたら、喜ばれた。
・家族全員で、外に食事に出かけたこと。
・勉強しろといわれた。
・手伝いをしてお小遣いをもらった。
・家族でスキーに行った。

『ビデオ(『アニメ「めぐみ」』25分)を視聴します。
両親の思いが感じられるところをメモしながら見ましょう』

《視聴》

◆ 発問 2~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

両親の思いが感じられたところをどうぞ。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


・ずっと探し続けようとしているところ。
・お父さん、写真撮りすぎ。
・何年たってもめぐみさんのことを心配していて、親は子供のことをとても大切にしているという
ことが伝わった。
・最後まで、死んでいないと信じて、探し続けていること。
・すごい「愛」が感じられる
・マスコミを前に話をしているシーンが印象に残った。。
・自分の娘のことを信じているところ。

◆ 発問 3~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

めぐみさんが生まれた時、父のしげるさんが言った「人並みの幸せ」とは、どういうことでしょうか。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


・特別「すごい幸せ」とかではなく、他人と同じくらいの幸せでいい、という意味。
・他の人よりも大きい幸せをもらわなくていいから、人と同じくらいの幸せをもらいなさい、という意味だと思います。
・家族一緒で生活すること。
・普通に暮らして、普通に生きること。
・事故も何もなく、幸せに生きる…みたいな。

資料を配布します。
【資料】(抜粋)

【資料1】1980年産経新聞
当初、行方不明として報道された
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【資料2】1997年産経新聞
横田めぐみさんの拉致の疑いを報道したスクープ

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【資料3】2002年10月15日
5人の拉致被害者が24年ぶりに帰国を果たし、家族と再会

2002年10月15日 5人の拉致被害者

【資料4】拉致事件に対して、日本の政治家や外務省が発言してきたこと
彼らは何がしたいの?

土井 辻本

■土井たか子(社民党元党首)
「北朝鮮に対する食料援助は、少女拉致疑惑などとは切り離して人道的見地から促進すべきだ」(97年)

■辻元清美(社民党衆院議員)
「かつて植民地にして、北朝鮮には補償を何もしていないのだから、『9人、10人返せ!』ばかり言ってもフェアじゃない」(01年)

鳩

■鳩山由紀夫(元首相・民主党)
「拉致事件などの問題が解決しないと援助できないというのでは、北朝鮮の気持ちは和らげることができないのではないか」(97年)

田中

■田中眞紀子(元外務大臣・当時自民党)
「拉致疑惑があるからけしからんという意見もあるが、50万トンと言わず、100万トンでも援助米は出した方が良い」(01年)

■阿南惟茂(あなみこれしげ)(外務省・元中国大使)
「拉致疑惑には亡命者の証言以外に証拠がない。
韓国に捕まった工作員だから、彼らが何を言うかわからない」(97年)

■槇田邦彦(外務省・元アジア局長)
「たった10人のことで、日朝国交正常化が止まっていいのか。
拉致にこだわり、国交正常化がうまくいかないのは国益に反する」(99年)


【資料5】アメリカの政府関係者は…?
■ アメリカ元CIA東アジア部長アーサー・ブラウン氏
「拉致とは、国家主権を侵されたということで、これを解決しなければ、国家と国民の繋がりがなくなってしまいます。
国民を救出しない国は国とは言えません。
もしアメリカ人がメキシコかキューバに拉致されたなら、次の日には戦争になるでしょう。
軍事行動をできないなら、経済手段に訴える。
北朝鮮と取引する銀行とは日本は一切取引をしないと宣言する。
全ての銀行が日本を選ぶでしょう。
北朝鮮に経済的に大打撃を与えられる」(「WiLL」2008年12月号)

《資料おわり》

◆ 発問 4~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

【資料】を見て、思ったことや考えたことをどうぞ。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●日本の政治家とアメリカの政治家の思考はぜんぜん違うことが分かった。
●30年以上離されるのはキツい。日本の政治家は「腰が低い」なぁ!!アメリカは言うことがすごいぜ!!
●日本の政治家とか意味が分からん。人が死んでいるかもわからんのに放置できるのがおかしい。
●罪のない人が拉致され、怖い思いをしているのに、何もしてあげられなかったことが、私は辛いです。
●日本の政治家は無責任だ。日本とアメリカとでは全然違う。同じ日本人なのにどうして助けないのか。アメリカを見習ってほしい。
●日本もアメリカのような対応をとるべきだと思います。
●日本よりアメリカの方が、国民思いだと思った。
●日本に助けようとしない政治家がいるなんて、驚いた。
●政治家の発言で「たった10人のことで」というのがあったけど、その考え方はおかしい。
●辻本清美さんのコメントを見て、サイテーだと思った。
●政治家は自分が拉致されても、そんなことを言えるのか!
●政治家は横田めぐみさんのことは何も思っていなくて、北朝鮮のことばかりを思っていてダメだなと思った。
●産経新聞、頑張って!と思った。


◆ 発問 5~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

今日、学んだことに照らして、
あなたが家族からの愛情を感じるのは、どんな時ですか。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●家族と話している時。
●自分のことを心配してくれている時や応援してくれた時。
●一緒にいることだと思います。それに、学校にも行けるし。それが愛情だと思います。
●おこられたりとか、ほめられている時とか。心配してくれる時が愛情を感じる。
●外に出かける時とかに、心配してくれるとき。
●よくわからないけど、いつも一緒にいて、私のことをいつも思っていてくれている。
●ご飯をつくってくれて、食べる時。
●カゼをひいた時、心配してくれる。
●焼き肉を食べに行った時、「いっぱい食べな!」って言われる時。
●ん~、よくわからん。日常を生きている事なのかなぁ。
●どんな時でも感じています。


◆ 発問 6~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

家族の一員として、今の自分はどうですか。これからどうしますか。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●一日一日を家族と大切に過ごしたいと思った。
●なるべくおこられないように頑張るぞ。
●反抗期。これからは家族に優しくしていきたい。
●何かと素直になりたい。
●もっと家族と話をしたい。
●これからはもっと家族に気配りをする。
●もっといろいろなことを考えなきゃいけないなぁと思いました。
●家のことは何もしないので、自分のことは自分でした方がいいなぁっておもった。
●家族の大切さは、家族がいなくなってわかるのだと思う。家族に感謝!!
●今はあまり役に立っていないけど、これから家族の役に立てるように頑張っていきたい。あと、いつも一緒にいられること(時間)を大切にしたいと思う。
●わがままなところがあるから直さないとダメだと思った。大事なものがなくなってから気づくのでは遅いと思った。
●今の自分は家で自由人です。でもこれからは親の手伝いをして楽させてあげたいと思います。
●感謝の気持ちをもって家族と接したいと思います。
●たぶん大丈夫。自分は家族を必要としているし、家族も自分を必要としていると思うから。

《授業終わり》

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道徳「一輪の花から始まった絆」アーレイ・バーク

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今日は「集団生活に必要なものは何か」を考えよう。
もちろん、それは「日本人の伝統的精神」から学ぶことになりますよ。
徳目は 4-(4)「集団の一員としての自覚」
(2-(2)「おもいやり」で捉えても良いお話だと思います)


《授業開始》
◆ 発問 1~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

これは五輪招致のプレゼンテーションの時の写真です。
滝川クリステルさんは、何と言っているでしょうか?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

お・も・て・な・し

答え:「お・も・て・な・し」

●有名なシーンですね。生徒もみんな知っていました。
ここでまったく無関係のような質問をします。

◆ 発問 2~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ところで、「トモダチ作戦」を覚えていますか?
知っていることをどうぞ。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●これがほとんどの生徒は知りませんでした。
最初から知らないのか、忘れちゃったのか…。
適度にヒントを出しながら、説明しました。
ヒント:「東日本大震災」「アメリカ軍」「救援」

在日米軍が助けてくれたことは、ある程度知っていました。
よかった。

では、【資料1】を読みましょう。

【資料1】◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

今日は、外国人を感動させた日本人の「おもてなしの心」について勉強しましょう。

平成23年(2011)3月11日、日本に甚大な被害をもたらした東日本大震災がおこりました。
震災

自衛隊や警察、消防が必死の救援活動を繰り広げました。
この時、すかさずアメリカ軍が「トモダチ作戦」と名付けた日本への復興支援を開始し、瓦礫(がれき)の除去や多くの救援物資を届けてくれました。
実は、この話の裏には60年以上も前におきたひとつの物語があったのです。

それは、大東亜戦争(太平洋戦争)の終結からわずか5年後、昭和25年(1950)9月のことです。
まだ戦争の傷跡が残る日本に、一人のアメリカ人がやってきました。
アメリカ海軍の提督、アーレイ・バークです。

バーク

バークは駆逐艦乗りです。
巨大な戦艦を追い回す駆逐艦乗りには、日米ともに猛将といわれた人が多くいました。
バークもその一人です。
バークは大東亜戦争の中でも、日米合わせて9万人以上もの犠牲を出した激戦「ソロモン海戦」で日本軍の脅威となった男です。
そのバークが、敗戦国日本を支配する占領軍の海軍副長として、アメリカから派遣されてきたのです。
それは、「朝鮮戦争」勃発の直後でした。

バークが東京の帝国ホテルにチェックインした時のことです。
従業員「バーク様、お荷物をお持ちいたします」
バーク「やめてくれ。最低限のこと以外は、私に関わるな!」
実は、バークは筋金入りの日本人嫌いでした。
親友を日本軍の真珠湾攻撃によって失い、血みどろの戦いで多くの仲間や部下を失っていたからです。
戦争中、バークの心には、敵である日本人への激しい憎悪が燃えていました。

「日本人を一人でも多く殺すことなら重要だ。
日本人を殺さないことならば、それは重要でない」
という訓令を出したほどでした。
また、公の場で日本人を
「ジャップ」「イエロー・モンキー」
と差別的に呼び、露骨に日本人を蔑みました。
したがって、どれだけ日本人の従業員が話しかけても無視しました。
「腹立たしい限りだ! 黄色い猿どもめ!」

日本に来てから1ヶ月ほどしたある日のこと。
「なんて殺風景な部屋なんだ!」
ベッドと鏡台とイスだけの部屋を見て、せめてもの慰みにと、バークは一輪の花を買ってきてコップに差しました。

このあと、この花が意外な展開をたどることになります。
翌日、バークが夜勤から戻ってみると、
コップに差した花が、花瓶に移されていたのです。

◆(資料ここまで)◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆ 発問 3~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

花瓶に移されていた花を見たバークは、
このあとどうしたと思いますか?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●想像でどうぞ。
○生徒:「ほめた」「お礼を言った」「やっぱり怒った」など。

●【資料2】で確認しましょう。

【資料2】◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

バークはフロントに行き、苦情を言いました。

バーク「なぜ、余計なことをした。誰が花を花瓶に移せと言った!?」
従業員「恐れ入りますが、ホテルではそのような指示は出しておりません」
バーク「何だって?」

この時は誰が花瓶に移したのか分からなかったのです。
さらに数日後…。
何と花瓶には昨日まではなかった新しい花が生けられていました。
「いったい誰がこんなことを…」

花はその後も増え続け、部屋を華やかにしていきました。
バークは再びフロントへ行きました。
「私の部屋に花を飾っているのが誰なのか、探してくれ」

調べた結果、花を飾っていた人物が分かりました。
それは、バークの部屋を担当していた女性従業員でした。
彼女は自分の乏しい給料の中から花を買い、バークの部屋に飾っていたのです。

それを知ったバークは、彼女を問い詰めました。
「君は、なぜこんなことをしたのだ?」
「花がお好きだと思いまして」
「そうか。ならば、君のしたことにお金を払わねばならない。受け取りたまえ」
と、彼女にお金を渡そうとするバーク。
ところが彼女は…
「お金は受け取れません。私はお客様にただ居心地よく過ごしていただきたいと思っただけなんです」
「どういうことだ!?」

アメリカではサービスに対して謝礼(チップ)を払うのは当たり前のことです。
しかし、彼女はお金を受け取りません。
このあと、彼女の身の上を聞いたバークは驚きました。
彼女は戦争未亡人で、夫はアメリカとの戦いで命を落としていたのです。
しかも、彼女の亡き夫も駆逐艦の艦長で、ソロモン海戦で乗艦と運命を共にしたのでした。
それを聞いたバークは、
「御主人を殺したのは、私かもしれない」
と、彼女に謝りました。
ところが彼女は毅然としてこう言ったのです。
「提督。提督と夫が戦い、提督が何もしなかったら提督が戦死していたでしょう。
誰も悪いわけではありません」

バークは考え込みました。
「自分は日本人を毛嫌いしているというのに、彼女はできる限りのもてなしをしている。
この違いは、いったい何なんだ…!?」

      ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

のちに、バークは次のように言っています。
「彼女の行動から日本人の心意気と礼儀を知った。
日本人の中には、自分の立場から離れ、公平に物事を見られる人々がいること。
また、親切に金で感謝するのは日本の礼儀に反すること。
親切には親切で返すしかないこと、を学んだ。
そして、自分の日本人嫌いが正当なものか考えるようになった」


こうして、バークの日本人に対する見方は一変したのです。
折りしも朝鮮戦争は激しさを増していました。
バークは一刻も早くアメリカ軍の日本占領を終わらせ、日本の独立を回復するようにアメリカ政府に働きかけるようになりました。
加えて、日本の独立と東アジアの平和を維持するために、日本海軍の再建を説きました。
まだ終戦5年後ですから、アメリカ人の大多数が反日感情を持っている中です。
バークは根気強く説いてまわり、ついに海上自衛隊を作ることに成功したのでした。

その後、バークはアメリカ海軍のトップである作戦部長に就任します。
3期6年間も作戦部長を務めたのは海軍史上でバークだけです。
バークは、最新鋭の哨戒機P2Vを16機、小型哨戒機S2F-1を60機も海上自衛隊に無償で供給しました。

1961年、海上自衛隊の創設に力を尽くした功で、バークは日本から勲一等旭日大綬章(最高の勲章)を贈られました。

1991年、バークは96歳で亡くなります。
各国から多くの勲章を授与されたバークですが、葬儀の時に胸に付けられた勲章は、日本の勲章ただ一つ。
それは本人の遺言でした。
そのため、ワシントンの海軍博物館にあるバーク大将の展示には、日本の勲章だけが抜けたままになっています。

◆(資料ここまで)◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆ 発問 4~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

【資料2】を読んで、感心したことは何ですか?
3つ以上、書きましょう。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


●女性従業員の偉さはもちろんですが、素直に自分を変えたバークも偉いとの声もあり。
今も墓の中でバークが日本の勲章を付けていることに感銘の声も出ました。

●でも、この話はまだ続きがあったんです。
歴史の数奇な繋がりをどうぞ。

【資料3】◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

平成23年3月11日、東日本を巨大地震が襲いました。
この戦後最大の国難に際して、在日アメリカ軍は直ちに「OPERATIONTOMODACHI=トモダチ作戦」を発動しました。

トモダチ作戦1

このトモダチ作戦で、もっとも早く被災地に着いたのが、
原子力空母ロナルド・レーガンです。

トモダチ作戦2

本来、韓国に向かう任務で移動中でしたが、艦長の独断で日本の救援に駆けつけたのです。
その艦長の名は、海軍大佐トム・バーク
そう、あのアーレイ・バークの孫です。

トム・バーク

バーク大佐は、ヘリコプターのパイロット出身でしたから、空母のことは副長に任せ、自分は救援物資を積んだヘリを操縦して、避難所を飛びまわったそうです。

このような自然災害が発生した場合、世界中でどんな光景が見られるか知っていますか…。
住民たちによる食料の取り合いが始まります。
こうなると、ヘリコプターといえども危険で着陸できないそうです。
何と着陸した途端、被災民が銃をぶっ放して、食料を取りに来ることもあるといいます。
したがって、たいていは低空からの空中投下になるそうです。

しかし、東北地方は、どの避難所にもヘリが着陸しやすいように、ヘリ着陸の目印「H」が書いてありました。
ヘリが着陸すると、被災民が荷降ろしを手伝いました。
終わったら、全員がお礼を言って見送ってくれます。


トモダチ作戦3

これには、世界各地で救援活動をしてきたバーク大佐も驚いたそうです。
「東北地方では、一件の略奪も殺し合いもなかった」
と軍の機関紙『星条旗』に書いています。
さらに、住民たちは必ず
「ここはこれだけで良いから、別の避難所に持って行ってくれ」
と言いました。
そんなことを言われたことも、日本だけだったそうです。

人間、極限状況にある時ほど、その本性があらわれる
と言いますね。

トム大佐は帰国後、日本で経験した驚きの出来事を家族に話しました。
もし、バーク大将が生きていたら、
「そうじゃろう。じーちゃんが日本好きになった訳がわかったじゃろう」
などと応えたでしょうね。

時が流れていくと、変わってしまったり、失われてしまうものがある中で、変わらないのが日本人の「人を思いやる心」です。
いつまでも護り伝えていきたいですね。


◆(資料ここまで)◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

◆ 発問 5~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

今日のお話を通して、学んだことや感想を書きましょう。
日本人の伝統的精神「人を思いやる気持ち」は、
今の自分に照らしてどうですか。

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


《授業終わり》

●「おもてなし」や「思いやりの心」とは、温かい「人間愛」の精神であることをわからせたい。
●実感としては、「親切」をしたり、されたりした時の気持ちを思い浮かべてみよう。
●震災時の日本人の米軍に対する態度は
助けられる時の『おもてなし』の態度
(変な言い方ですが)
と言えるのではないか。
●日本の「伝統的精神」の良さを知り、
日本人の一員として、他人に対して思いやりの心を持とうとする態度
を育てましょう。

トモダチ作戦4

【参考資料】 勉強になりました! ありがとうございました。
■『海の友情―米国海軍と海上自衛隊』阿川尚之 (中公新書)
■ビーバップ!ハイヒール「半世紀の時を超えて…『一輪の花』から始まった絆の物語」
  ABC(朝日放送)2013年放送



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道徳「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」


4-(4)思いやり・集団の一員としての自覚
「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」


鎌倉時代の末、1274年にモンゴルと高麗の連合軍が襲来しました。元寇です。
この時、宏覚という禅僧が戦勝の祈願文に一首を載せています。

末の世の 末の末まで 我が国は
よろづの国に すぐれたる国


日本は昔から、「優れた良い国」だという認識があったことがわかります。

この授業の徳目は「集団の一員としての自覚」または「公徳心・よりよい社会の実現」です。
中学生には「思いやり」がわかりやすいでしょうね。
生徒に学んでもらいたいことは、以下の点です。

◆日本の伝統として、団結力がある。これは世界が驚く日本の美徳であることを知る。
◆団結力の大切さを知る。君たちもできるようになってほしい。
◆外国ではなかなかできないようなことを、当たり前のこととしてできる日本人は素晴らしい。


◎視聴する動画は、ユーチューブから拝借したものです。
1、「スズメバチ30匹 vs ミツバチ30000匹」
https://www.youtube.com/watch?v=IWI6_VEbsdA
2、「オオスズメバチ vs ニホンミツバチ」
https://www.youtube.com/watch?v=LLWZHg_TjA0

◎資料の1、2は「ねずさんのひとりごと『日本ミツバチの結束行動』」の記事をベースに中学生向けに要約しました。
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1547.html

◎「5の発問」は、横浜市小学校 安達弘教諭の先行実践を参考にしました。

では、授業をはじめます。

【発問1】--------------------
この虫は何ですか?
オオスズメバチ
------------------------

〔答え〕オオスズメバチ

『体長、なんと40ミリ。世界最大の蜂です』

【発問2】--------------------
では、この虫は?
ニホンミツバチ
------------------------

〔答え〕日本ミツバチ

『体長15ミリしかありません。かわいいですね。
日本の固有種です』

『今から動画を見ます(約7分)。
「1.オオスズメバチvs西洋ミツバチ」
「2.オオスズメバチvs日本ミツバチ」の戦いです。
結果はどうなると思いますか?
あっという間にすごいことが起こります』

《動画を見たあとの生徒の感想》
・小さな日本ミツバチがオオスズメバチを倒したことに驚いた。
・スズメバチは怖い。日本ミツバチは賢いな~。
・日本ミツバチが団結している様子が素晴らしかった。
・日本ミツバチは一斉に行動していた。ビックリした。
・日本ミツバチは西洋ミツバチと違って作戦ができていてすごいと思った。
・熱で攻撃をするのはすごいアイディアだなと思いました。
・オオスズメバチ1匹のために日本ミツバチが数十匹も命を落とすのはもったいないけど、団結力はすごいと思いました。

◆【資料1】を範読します。

【資料1】ニホンミツバチの勇気ある行動 *******

ミツバチは、誰でも知っていますね。
ミツバチには、日本古来の「日本ミツバチ」とハチミツを採るために養殖する「西洋ミツバチ」がいます。
西洋ミツバチは、日本ミツバチより少し体が大きくて、黄色っぽい色をしています。
一方、日本ミツバチは、小柄で黒っぽい色です。
日本には古くから日本ミツバチがいるのですが、日本で養蜂(「ようほう」と読みます)に使われているのは、西洋ミツバチです。これは、明治時代以降に導入したものです。

日本ミツバチがいるのに、なぜ養蜂には西洋ミツバチを用いるのでしょうか?
西洋ミツバチの方が働き者だから?
たくさん蜜を取ってくるから?
そうではありません。
実は、日本ミツバチはたいへん神経質な蜂なのです。
ですから、環境が変わると巣を捨てて移動してしまうので、養蜂に向かないのです。
要するに、日本ミツバチは「養殖される=奴隷にされる」ような生き方はできない、というわけです。

それとは反対に、養蜂場で飼育されている西洋ミツバチは、不思議なことにまったく野生化しません。
なぜ野生化しないかというと、できないのです。
その理由は、日本にはミツバチの天敵である恐ろしい「スズメバチ」がいるからです。
ミツバチと比べて何倍もの体格を持つスズメバチは、ミツバチの巣に飛来すると、巣の前でホバリング(停止飛行)をして待ち構えます。
そして、帰ってきたミツバチを強力な前足で捕らえるのです。
木の枝などに後足で逆さにぶら下がり、ミツバチの頭、羽、足、腹を、鋭いアゴで切り落として、胸の部分だけを肉だんごのようにまるめます。
これを巣に持ち帰って幼虫のエサにするのです。

さて、ハチといえば「刺す」ものですね。針は毒針です。
ミツバチの毒針は、逆(さか)トゲがついています。で
すから、刺すと針が抜けて相手の体内に残ります。
効果は大きいのですが、一匹が一本ですから、針を失ったミツバチは、死んでしまいます。
ところが、スズメバチは、針に逆トゲがありません。
したがって、毒が続く限り、何度でも相手を突き刺すことができます。

さらに、スズメバチはその毒液をお尻から周囲にまき散らします。
この毒液は「警報」の働きも持っていて、ニオイを感知した仲間がどんどん集まってきます。
こうして、スズメバチはミツバチの巣を襲い、捕食し、全滅させるのです。

ということで、養蜂場を逃げ出した西洋ミツバチが自然巣を作ったとしても、スズメバチに襲われてすぐに絶滅です。
たった1日で全部殺されます。
西洋ミツバチにとって、スズメバチは、まさに脅威なのです。
オオスズメバチの顔
《強靭なアゴを持つオオスズメバチ。
人間の命をも奪う強力な毒針もある。
とにかく顔が怖い!》


ところが、世界で唯一、スズメバチを撃退してしまうミツバチがいます。
そう、それが、あのかわいらしい日本ミツバチです。
どうやって撃退するのでしょうか。
これが実に日本的な戦い方なのです。

日本ミツバチの戦いは、お尻の毒針を使いません。
集団でスズメバチにとりつき、「熱死(ねつし)」させるという方法で、スズメバチを撃退してしまうのです。

日本ミツバチは、スズメバチが巣に近づくと、集団で出迎えます。そして、腹部を高く持ち上げ、一斉に左右に激しく羽を振ります。
「ミツバチダンス」と呼ばれます。
大軍で密集し、ブンブンと唸(うな)る日本ミツバチの姿。
これもまた、たいへん独特な特徴です。

******************(資料おわり)

【発問3】--------------------
巣に近づくスズメバチに、日本ミツバチが密集してブンブンと腹を左右に激しく振るのはなぜでしょう?

1.ダンスを見せてごまかす
2.大きな音でビビらせる
3.実はみんなで謝っている
4.その他
------------------------


◆資料2で答えを確認する。

【資料2】日本ミツバチの行動を通じて、日本人の心を知る

日本ミツバチが大軍でミツバチダンスをすると、どういう効果があるのでしょうか。
これをやられると、スズメバチは1匹の日本ミツバチに的(まと)を絞れなくなってしまうのだそうです。
巣の前で落ち着いて待ち伏せできなくさせて、スズメバチを追い払うのです。

〔発問3の答え〕4

それでも、スズメバチが侵入してきたら、どうするのでしょうか。
ここが実にすごいのです。

「日本ミツバチ」は、あっという間に集団でズズメバチに飛びかかります。
そして、瞬く間に直径5㎝ほどの「蜂球(ほうきゆう)」をつくるのです。
まさに一瞬の出来事、集団でスズメバチを蜂球の中に閉じ込めてしまいます。
蜂球の中では、内部の温度が急激に上昇します。
その温度は、4分以内で46℃以上に達します。
そして、約20分間、約45℃前後の高温が維持されます。
その後、ゆっくりと外気温と同じ温度まで下がります。
あとには、大きなスズメバチの死骸が一つと、いくつかの小さな日本ミツバチの死骸が残されます。

スズメバチが動かなくなって数分経ったころ、日本ミツバチたちはその場を離れ、巣の中に戻っていきます。
そして、何事もなかったかのように、自らの仕事を再開するのです。

何でスズメバチは死んでしまったのでしょうか。
実は、これは日本ミツバチとスズメバチの「致死温度」の違いを利用した戦い方なのです。
日本ミツバチの致死温度の上限は50℃です。
これに対し、スズメバチは45~47℃で死んでしまいます。
日本ミツバチは、そのわずかな致死温度の違いを利用して、スズメバチを倒すのです。

1匹のスズメバチを倒すために、日本ミツバチは数匹から数十匹が命を失います。
ミツバチの方が圧倒的に被害が大きいですね。
しかし、日本ミツバチは我が身を犠牲にして「命」をかけて、巣と仲間を守るのです。
これが、世界でただひとつの、日本ミツバチだけが持つ「スズメバチ撃退法」なのです。

我が国の国歌である君が代の歌詞は、もちろん知っていますね。
   君が代は 千代に八千代に
   さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで


この中に「さざれ石の 巌となりて」という一節があります。
「さざれ石」とは「細石」と書き、ちいさな小石のことです。
それが集まって大きな岩石を形成していく、ということです。

日本ミツバチの団結力は、まさにこのことですね。
必殺の毒針ではなく、集団の結束力で、強大なスズメバチを撃退するのです。
一人ひとりの力は弱くても、みんなで協力して、巣(国や社会)を支えているのです。

日本ミツバチの勇気ある行動は、「団結」というもののすごさをあらためて私たちに教えてくれます。
ミツバチだってやっているのですから、私たち人間にできないことがあるでしょうか。

******************(資料おわり)
ニホンミツバチ2

【発問4】--------------------
資料2を読んで、感心したことは何ですか?
------------------------


《生徒の感想》
・自分の身を犠牲にしてまでオオスズメバチをやっつけていて、かっこいい。
日本の武士が頭に浮かんだ。
集団戦法というところも日本ぽいなと思った。
・日本ミツバチは、自分が犠牲になってもいいという覚悟で立ち向かっていくのは本当にすごいことだと思う。
・自分が犠牲になっても巣や仲間を守るのがすごいと思った。
人間は、相手より自分という感じがあるけど、ミツバチは仲間を守るために命を捨てられるなんてすごいです。
・団結力がすごいと思った。
1匹じゃ無力でも、100匹以上いればすごいことができる。
・命をかけて協力し、団結してスズメバチを倒した日本ミツバチはかっこいいなぁと思った。
ミツバチはすごく人間らしい生き物だな。
・まさに日本らしいハチだと思った。
西洋のハチはスズメバチに対して何もできないのに、日本ミツバチは勇敢に戦う。
それがすごいと思う。日本のハチの武士道?!って思った。
団結すれば弱い者も強くなれる。
・オオスズメバチは1匹でも強いけど、小さくて1匹では弱い日本ミツバチが集団で最強のスズメバチを倒すなんて、とてもすごい。日本ミツバチを尊敬してしまいます。


『写真は埼玉県の南浦和駅です。
みんなで何をしているんでしょう?』


s-平成25年7月22日午前9時 南浦和駅

◆資料3を範読します。

【資料3】南浦和駅の日本人************

読売新聞記事から…
「平成25年7月22日午前9時頃、さいたま市の南浦和駅で、停車中の京浜東北線磯子行きの電車から降りようとした30代の女性が足を踏み外し、電車とホームの間に挟まれた。

南浦和駅によると、駅員が電車内にいた乗客を降ろし、女性を引き上げようとしたがうまくいかず、車内やホームにいた利用客約40人が自主的に協力し、電車を押して隙間(すきま)を作った。
数回目に車体が傾き、駅員が2人がかりで女性の脇を抱えて引き上げると、周囲からは拍手がわいたという。
女性に目立ったけがはなかった。

車両とホームの隙間は約10センチ。
1両当たりの重さは約32トンだが、車体を押すことで隙間ができたという。
京浜東北線は最大で8分の遅れが出た。」

回 回 回

これ、日本人としては、当然の行為だと思います。
ところが、これに世界はとても驚きました。
世界はどのように報じたのでしょうか。


■アメリカのCNNテレビは、キャスターが
「日本から素晴らしいニュースです」と前置きし、女性救出を報じた。
キャスターは「生死に関わる状況で、駅員と乗客が冷静に協力した」と称賛。
「おそらく、日本だけで起こりうること」として、電車が約8分後に通常運転を再開したことも合わせて伝えた。

■イギリスのガーディアン紙は
「(駅員や乗客が)集団で、英雄的な行動を示した」と写真入りで紹介。

■イタリアのコリエーレ・デラ・セラのウェブサイトには
「イタリア人だったら眺(なが)めるだけだろう」。

■香港フェニックステレビのウェブサイトには
「中国で同様の事故が起きれば、大多数の人はやじ馬見物するだけだ」といった書き込み。

■ロシアのコムソモリスカヤ・プラウダには
「どうしてこんなに迅速に乗客が団結できたのだろうか」「他人の命に対して、我々ロシア人も無関心であってはならない」と、驚きのコメント。

■タイのニュース専門チャンネルTNNは
「日本の人々が生来の結束力を余すところなく示し、困っている人に助けの手をさしのべた、素晴らしいニュース」と紹介。
フェイスブック上では
「日本が、また世界を驚かせた」
「とっさにこのような行動ができる日本人は、どのような教育を受けているのか」との声。

■中国国営テレビの央視新聞は
「感動的な一幕」として報道。
「感動した!なんて人に優しいんだ」
「これが国民の民度だ!」
「日本人の民度には永遠に追いつけない」
「日本人の民度は本当に高いし、団結力が強い」など感動や民度の高さを称賛するコメント。

回 回 回

日本人の『絆』に欧米 カナダなどの人々が大絶賛!
88800超のいいね!を獲得
(news.infoseek)

◆素晴らしいよ! これがイギリスで発生したらどうなったと思う?
みんなポケットからi-phoneをだして写真撮影、facebookにアップロードするんだ!
◆アメリカでもありえない。そうだ皆写真を撮り始めるのが関の山だ。
◆シカゴは違う。皆、なにもしない代わりにブーブー1時間はたっぷり文句を言う。
◆よくやった! 出勤者達よ!
こんな大勢の人がたった一人のために行動を起こすなんてすばらしい。
◆なんて素晴らしい話!
一体これだけの人数をどうやったのか? イギリスでは無理。
◆これこそが「チームワーク」だ!
◆だから将来的に日本が世界を牛耳る日が来る。
彼らは目標を掲げて、それに取り組むことに長(た)けている。
◆日本人って本当に素晴らしい。いつも健全な精神の持ち主だって事がわかるよ。
◆日本に住んだことがあるけれども、彼らっていつも助け合って生活している。本当に素晴らしい文化。
◆だから日本って大好き! これこそが日本人よ!
◆津波のあの悲劇があった時も彼らはパニックにならずにきちんと並んで物を買っていた。
日本以外だったらすぐ暴動になっているところだ。
◆これは世界中の人達へのお手本だ。
◆日本人はいつも日本人なんだ!
◆すごい! 全てのヒーロー達が集結したような話。
◆こういう時の相撲レスラーだろ? 相撲レスラーはどこだ?
日本人はいつも他人を気に掛ける事が出来るんだ。
◆だから日本って世界のトップにいるのね?
◆同じことがウォタールー(カナダ)でもあったよ。
信じられないことに落ちてしまった人を皆、新聞紙で頭を叩(たた)いて責めたんだ。
駅員は、何度も何度も乗客に降りるように指示しなくちゃいけなかった。何度もだ。
でも乗客たちは口を揃えて「こんな事になったのは、私の責任ではないけど?!」と不平だらけだったんだ。
全くこんなコミュニティーは大嫌いだ。
◆日本には他のナショナリティーにはない「助け合い」「結束力」「譲り合い」「気遣い」の文化が今なお強く根付いている。

回 回 回

これからの日本を作っていくのは君たちです。
先人に恥じない生き方をしたいですね。


******************(資料おわり)

【発問5】--------------------
ニュースからは、次の3つの言葉が「日本人の特性」をあらわすキーワードになっていますね。
「①冷静さ ②優しさ ③団結力」です。
あなたは、この3つの中でどの特性を大切にして生きていきたいと思いますか?
その理由も書きましょう。
------------------------


《生徒の感想》
これがまた、とてもおもしろいです。

●「私は(冷静さ)です」を選んだ生徒の理由

・理由:冷静に考えることなく、行動してしまうことが多いので、冷静にやらなくてはならないことを考えて行動できるようにするため。
・理由:大変なことが起こってもパニックになったり、人を責めたりしないで冷静にやるべきことをやるのがすごいことだと思ったからです。
自分のことだけでなく、他人のことを考えて行動できることがすごいことなんだと思いました。
・理由:冷静さがなければ、優しさも団結力も生み出すことはできないと思うから。
・理由:常に慌てず、物事に冷静に対処することが大事だと思うから。

●「私は(優しさ)です」を選んだ生徒の理由

・理由:優しさがなければ、根本的に団結や助け合いにならないから。
・理由:優しい気持ちは人を笑顔にすると思うから、人としてそこを大切にしていきたいです。
・理由:優しさがあれば団結力を補えるし、団結力があれば冷静さが保たれるから、最も大切だ。
・理由:すべては優しさだと思います。「困っている人がいたら助ける」、そんなことは絶対に普通のことだと思う。
これを「優しいな~」と思うのはおかしい。
冷静さも団結力も優しさがなければやっていけないと思う。
・理由:私はよく家族や友達に助けられるので、それを他の人に(赤の他人でも)分けてあげたいと思うから。

●「私は(団結力)です」を選んだ生徒の理由

・理由:一人でやるよりも多人数の方が、いつもよりももっと大きな力になるから。
・理由:一人ではできない事も、助け合えばできることがあるし、いろいろな人と団結する方が人生楽しくしていけそうだから。

●「私は(すべて)です」と書いた生徒

・理由:冷静さだけでも優しさだけでも団結力だけでも、うまくいかないと思うから。
このすべてがそろったから、あのいいニュースが生まれたと思う。

◆全体を通しての感想◆

・日本人の特性が世界に認められているということを誇りに思い、自分自身もこの特性を持っていられるような人であろうと思う。
・日本がこのような国民性なのがうれしいと思った。
自分ではできないかもしれないけれど、精一杯がんばっていけたらいいと思う。
・日本ミツバチと日本人はとてもよく似ていると思う。
団結力や優しさを持っていれば、日本人であることに誇りを持って生きていくことができる。
・ミツバチと日本人の団結力は同じように素晴らしいなと思った。
日本人だけでなく、日本固有の動物にも日本のいいところが出ているのかなって思った。
このようなことを自主的にできる日本人ってすごいんだな。
これからも続けていきたい。
・自分を犠牲にして巣を守る日本ミツバチの性格が、日本人の性格に似ていると思った。
これからは、日本人の助け合いの文化を大切にしていきたい。
・優しさと団結力と冷静さが特性といわれる日本ってすごいと思います。誇りに思います。
・日本人ってかっこいいなぁって思った。
・日本って本当にすごいな-と思った。人もいいし、ハチもいい。
なんで昆虫と日本人が似ているのかな、ととても気になった。
・日本ミツバチと同じく、電車とホームの間に人がはさまった事件の時に周りにいた人の団結力はすごいと思いました。日本人でよかった。
・団結していれば、ケガ人も死人も少なくなると思います。日本は安全だと、久しぶりに思いました。

おわり

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道徳「正義を考える」

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4-(3) 正義・公正公平

「正義を考える」

◆ 発問1 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 
 「正義」って、どんなことだと思いますか?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


生徒の考えている「正義」とは…、

○悪いことをしない  ○他人を守る
○弱い人や困っている人を助けてあげられること
○ウソをつかない   ○自分より人のことを考える など

よくわかっているようです。
では、具体的に追及していきましょう。
誰が、
どんな場面で、
どのように
正義を発揮するのか


『VTRを見ます。社会実験の動画です。
一般人を相手に仕掛ける「ドッキリ」みたいなものです。
アメリカのテレビ番組『こんな時、あなたならどうする?!』は、日本のドッキリとは違い、「人種差別」や「貧困」など重いテーマを扱っています。
多民族国家のアメリカらしいですね。

こんな場面に出くわしたら、
あなたならどうするか
、考えながら見ましょう』

●ユーチューブで拾ってきたものを編集したVTRです。
例えば
https://www.youtube.com/watch?v=hwpNQ1NWzOU
https://www.youtube.com/watch?v=Kt2wByByeKU
などです。他は検索してみてください。

ただ、内容はとてもおもしろいのですが、字幕が早すぎて中学生には読み取るのが大変だったようです。
映像を追っていけば、内容はほぼ理解できたようですが。

これを見ると、コミュニティを守るために敢然と立ち向かう市民(しかも老人や女性)が少なからず存在するアメリカは健全な国だと感じます。

●この順番で見せました。

1.だまされる視覚障害者:目が見えない客におつりをごまかして渡す店員がいたらどうする?

2.スーパーの障害者差別:ダウン症のレジの店員を侮辱する客の後に並んでいたらどうする?

3.暴行されるホームレス:ホームレスを集団で暴行する少年たち。そこに通りかかったらどうする?

4.寒さに震える一人の少年:雪の中、薄着でバス停にいる少年に出会ったらどうする?

《視聴終了》

『どの話が一番印象に残りましたか?』

○自分だったら怖くて助けに行けずに誰かを呼びに行くのに、自分から言いに行っている女の人もいてすごいと思った。

○自分のことより人の気持ちを考えて、男の人をかばっている姿が印象的で感動しました。

○なんか心が、じわーってなった! 寒いのにジャケットを脱いであげている人たちを見ていたらじんわりきた!
もし寒い子がいたら、私も何かを貸してあげたいと思った。

ここで、正義とは何か…、それもたいそうな正義ではなく、もっと身近で、誰にでもできるような正義とは何なのかを考えさせる【資料】を読みます。

『では諸君、「正義」の神髄をこの資料から学ぶぞ』
 (武士っぽく言う)

と厳かに【資料】を配布する。
生徒、一見して『えー、なにこれ!?(大笑)』

以下、資料です。

【資料】----------------------

「アンパンマン」~やなせたかしさんが語る

アンパンマンの作者で知られる「やなせたかし」さんは、1919年2月6日に高知県に生まれました。
94歳の生涯でしたが、その最期まで働いてらっしゃいました。すごいですね。

やなせさんが、「正義」について何を語っておられたか、紹介しましょう。

やなせさんは、東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部デザイン科)卒業後、製薬会社の宣伝部に入社。
1941年、22歳の時に、中国に出兵しています。

戦争が終わり、世の中は一変してしまいました。
今まで正しいと信じてきたものが崩壊していきました。

そこで、やなせさんは「正義ってなんだろう?」と考えました。
そして、たどりついた答えは次のようなものでした。

<やなせ氏:「アンパンマン」を創作する際の僕の強い動機が、「正義とはなにか」ということです。

正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること。
ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです


アメリカにはアメリカの「正義」があり、フセインにはフセインの「正義」がある。
アラブにも、イスラエルにもお互いの「正義」がある。
つまり、これらの「正義」は立場によって変わる。

でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。
絶対的な正義なのです。>
   (2011年5月3日「ニュースポストセブン」 以下同じ)

それで、アンパンマンはお腹がすいている人や動物を見ると、顔をちぎってあげるんですね。

アンパンマンの絵本が出版されたのは1973年、アニメがはじまったのは1988年です。
実は、アンパンマンも最初は、たいへん評判が悪かったそうです。
世界には、さまざまなスーパーヒーローがいますが、自分の顔を食べさせるヒーローなんかいないですからね。
やなせさんは、出版社から
「こんな作品はこれきりにしてくださいね」
と念押しされたり、
絵本の評論家からは
「こんな低俗な本は図書館に置くべきではない」
とまで言われました。
しかし、それでも続けていくうちに子供たちからすごい人気が出てきたのです。

そして、やなせさんは
「正義をするのは、普通の人だ」
とおっしゃいます。

<やなせ氏:正義って、普通の人が行うものなんです。
政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。
普通の人が目の前で溺れる子供を見て、思わず助けるために川に飛び込んでしまうような行為をいうのです。

ただし普通の人なので、助けに行って自分が代わりに溺れ死んでしまうかも知れない。
それでも助けざるを得ない。

つまり、正義を行う人は自分が傷つくことも覚悟しなくてはいけない。>

アンパンマンミュージアムに掲示してあるイラストの説明書きには
「正義を行う者は、自分が傷つくことを覚悟しなければならない」
とあります。

「たとえ 胸の傷が 痛んでも♪」
って、そういうことだったのかと知りました。深いィですね。

『アンパンマンのマーチ』も深いィですよ。
歌詞の中にこんな一節があります。

≪なんのために 生まれて / なにをして 生きるのか
/ こたえられないなんて / そんなのはいやだ!≫

とても子供向けの歌とは思えませんね。
やなせさんは名曲『手のひらを太陽に』の作者でもありますが、このアンパンマンの詩を書いたら、
「子供番組には難しすぎる」
とテレビ局に言われてしまいます。

しかし、当時、大学を出ても何をしたらいいのかわからない無気力な学生が増えていると聞いたやなせさんが、子供のころから
「何のために人は生きるのか」
をしっかり頭に叩き込んでおかなくてはいけないと思って、書いたそうです。

自分が「何のために生まれてきたのか、わからない」まま人生を終えるのは残念ですね。
やなせさんのお話を総合すると、

人は正義をするために生まれてきた

のです。

それは大それたことではなく、困った人を助ける・不正なことを許さないなど、普通の人がやれるはずのことです。

正義をした結果、自分が傷つくかもしれない。
でも、それを覚悟しなきゃいけない。
「だから 君が行くんだ どこまでも♪」なのです。

--------------- (資料終わり)

最初は笑っていた生徒も、最後は真剣な顔をしておりました。

発問2 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

今日のお話は、今の自分に照らしてどうですか。
また、今後のあなたはどうしますか?

◆ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


感想を書かせて授業を終えました。
生徒の感想を紹介します。

○自分は正義をしているのかな?、と今日あらためて思いました。
今日のVTRを見て、正義をする(人を助ける)人は無意識に行動しているように思いました。
正義ってすばらしいと感動しました。VTRの人のように自分より相手のことを考えて行動する人になりたいです。

○私は、正義をしようという思いはあるのですが、傷つくと思うとなかなか動けません。
今回のビデオや資料で、自分が傷つくことを恐れずに正義をしている人を見て、勇気を出そう、傷つくことを恐れないような強い心になろうと思いました。
少しでも「あの子、大丈夫かな…?」と思ったら、すぐに行動するようにします。

「用心棒」

この映画も「正義」でしたなぁ。



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プロフィール

服部 剛

Author:服部 剛
授業づくりJAPAN横浜《中学》の代表・服部剛です。中学校社会科教師です。
授業づくりJAPANは、授業実践を通して「国を思い、先人に感謝し、卑怯をにくむ日本人」「日本人の自由と真実を守るために戦うことのできる日本人」を育てます。
横浜・神奈川の志ある先生の参加をお待ちしています!
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